ギャップがあれば、蹴らなくても馬は動く

どうも、馬ーテンダーです。

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全力で蹴っているのに馬が動かない!
こんなシチュエーションは、誰もが一度は経験したことがあると思います。

強い脚をいれても馬が動かないのは何故なのか?

その仕組みを理解すれば、蹴る力が弱くてももう問題ありません。
人も馬も楽な状態で動かせるようになっていきましょう!


弱い脚でも、馬には十分伝わっている

脚とは、馬のおなかへプレッシャーをかけることを言います。
基本的には前進気勢を生み出すものです。

ここでちょっと夏場の馬をイメージしてほしいのですが
馬は皮膚の上の毛の先にハエが触れた・止まっただけでも細やかに感じ取って
おなかの皮をピクピク動かしていますよね。

そんな繊細な感覚を持っているのですから、
馬にしてみれば、どんなに弱い力の脚だったとしても十分感じ取ることができます


なぜ強い脚が必要になるのか

馬から見た脚の基準

馬はどんなに弱い脚でも感じ取れるのに、強い脚が必要になってくるのは
「そもそもの基準」が強くなってるからです。

  

僕の場合、発進は「舌鼓+ふくらはぎでちょっと押す」くらいの脚で始めて
発進しなければ徐々にプレッシャーを強めていきます。
自分の出せる最大の力の強さを10とすると、最弱の1からスタートしていくイメージです。

強い脚でも馬が動かない人の場合、一発目の脚からドン!と強めに始めていることが多いです。
自分の力の強さの10段階のうち、5か6あたりでスタートしてしまっているイメージです。

 

この「最初の脚の力の強さ」が、馬にとっての「脚の基準値」になります。


 

馬はギャップに反応する

馬が最初の脚(プレッシャー)を無視したあと
徐々にプレッシャーが強くなっていく=基準値とのギャップが大きくなっていくことで
馬は「人間が怒っているな」「脚を無視してはいけないな」と認識
します。

 

しかし、乗り手が出せる力の6段階目からスタートしてしまったら
最強の力を出し切る10段階目まで、あと4段階分しかギャップを作れません。

しかも普段から強いプレッシャーを与えていると強い指示に慣れてしまうので
より馬の反応も鈍くなり、さらに大きなギャップが必要になります。

これは人にも馬にも負担が大きく、ツラい状況です。


 

ギャップを生み出せればOK

「力の強さ」の絶対値が小さかったとしても、大きなギャップは作れます。
自分が出せる力のうち、最弱の段階からスタートすればいいのです。

つまり、脚のそもそもの基準値を限りなく下げてやれば、蹴らなくても馬は動くということ。

同じ大きさのギャップを作るにしても
脚の基準値が弱ければ、馬が動き出すまでに使う力も少なくて済みます。

小さな力で馬が動いて入れるなら、人にも馬にも負担が小さくてお互いに楽ですね!


まとめ

最弱でスタートして、ギャップで動かす

馬は毛にハエが止まったくらいの小さなプレッシャーの変化も感じ取ることができるので
人間の脚の力がどんなに弱くても気付くことができます。

だから脚の強さの上限を意識するよりも
どれだけ弱い力で脚をスタートできるか、下限の方を意識しましょう

ごく軽い力から始めて、徐々にギャップを生み出すことで
強い力で蹴らなくても馬が動き出す
人にとっても馬にとっても楽で心地よい関係を作っていってください!


【YouTube紹介】

強いプレッシャーについて、動画ではさらに具体的なイメージが掴めます。
ぜひこちらの動画もご覧ください。

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